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第3746冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-具体的にでき、成果が業務に結びつくOJT
仕事を通じて行うOJTでは、日常業務のあらゆる機会が指導育成の場になります。スタッフの技術・技能、知識などのレベルに合わせて行うことができるOJTは、職場研修のなかで最も重要と位置づけられています。
OJTと聞くと排泄介助などの介護の技術のことだと思うかもしれませんが、実際にはそれだけではありません。ミーティングや会議の進め方、さまざまな記録の取り方なども実際の仕事で学ぶことがたくさんあります。
リーダーは学ぶスタッフの意欲や実際に行ったときの態度や習熟度を注意深く観察します。そして、そのスタッフが必要な技術・技能、知識、仕事に必要な態度や価値観などを確実に身につけられたかどうかを評価します。OJTは難しすぎてもやさしすぎてもうまくいきません。
OJTではリーダーだけでなく、先輩スタッフも後輩スタッフを指導します。現場での学び合いによって、互いの信頼感を高め、チームとしての結束を強くすることになり、チームの風土づくりにつながります。
誰が教えるにしても、「望ましい行動」ができるように、具体的な言葉で指導します。
OJTには次のようなメリットがあります。
特別な時間や費用はかからない
必要に応じて実施できる
スタッフの能力に応じて実施できる
きめ細かい指導ができる
研修の成果が日常業務に結びつきやすい
リーダー、先輩とスタッフ、後輩の信頼関係が強くなる
習う準備をさせる
①気楽にさせる
仕事以外のことを尋ねたり、自分の成功体験、失敗体験を話したりしてリラックスさせる
②何の仕事をするのかを話す
教える仕事名、仕事の概要を伝え、目標を明確にする
③その仕事について知っている程度を確かめる
④仕事を覚えたい気持ちにさせる
⑤正しい位置につかせる
仕事の内容を説明する
①主なステップを1つずつ言って聞かせて、やってみせ、書いてみせる
②急所を強調する
③はっきりと、抜かりなく、根気よく。理解する能力以上のことを強いない
実際にやらせてみる
①やらせてみて、間違いを直す
動作ができるか黙ってやらせ、できれば確認し間違いは直す
②やらせながら、説明させる
手順を言わせながらやらせ、できれば確認し、作業の手順のすべてがわかったか確認する
③もう一度やらせながら、急所を言わせる
手順の急所を言わせながらやらせ、できれば確認する。手順の急所の理由を言わせながらやらせ、作業のすべてがわかったか確認する
④わかったとわかるまで確かめる
教えたことがすべてできることを確かめる
教えた後を見る
①仕事につかせる
本番でやらせる
②わからないときに聞く人を決めておく
まだ習う側がわかったか不安なので、わからないときに聞く人を決めておく
③たびたび調べる
最初のうちは何度も調べることを伝える
④質問するように仕向ける
不安を取り省くため、質問(仕事のこと、それ以外のこと)大歓迎の気持ちを伝える
⑤だんだん指導を減らしていく
うまくできたらほめる、うまくできるようになったら独立心と自信をもたせる