■
第3767冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-同じミスを繰り返している?
自分自身の成長を促す効果的な方法として、振り返りが重要であることを説明しましたが
それをより実践的に活用していくために、ここでは「経験学習」という考え方を紹介しましょう。
経験学習とは、アメリカの教育学者デービッド・コルブが提唱したもので、自分の経験から教訓を導き出すことによって実践能力を高めていこうという考え方です。現実の介護現場を思い返してみれば、この経験学習の大切さがわかると思います。
たとえば、どんなに豊富な専門知識をもっていたとしても、「仕事のできるリーダー」と評価されるとは限りません。専門知識が豊富なことに越したことがありませんが、教科書的な知識だけでは対処しきれないこともあるのが介護の仕事です。
そこで、思わぬ事態に遭遇したとき、ものをいうのはやはり「経験」です。経験豊富なリーダーならば、「以前にも似たケースがあったけれど、こうしたときはこんな方法が有効」というように、その「経験の引き出し」から適切な指示やアドバイスを取り出して示すことができるはずです。当然、「仕事のできるリーダー」という評価を得られます。
しかし、経験さえ積めば、誰もが自然と能力が高めるというわけではないのです。リーダーになって、同じミスを繰り返し、「しまった」と思ったことはありませんか? 同じミスを繰り返してしまうのは、経験を見つめ直すことをせず、経験から学ぶ方法も知らないからです。それではせっかくの経験も宝の持ち腐れです。
経験から学ぶにためには、きちんとした学び方を知っておく必要があります。
成功体験や失敗体験から学ぶことは、よく行われていることです。そのなかには、体験(特に成功体験」を語る人もいれば、失敗体験から導き出した教訓を語る人もいます。前者は、単なる自慢話に終わってしまうことがありますが、後者は、聞く者の関心を呼び、教育的価値の高い情報といえます。