第3764冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる! 近藤崇之 (監修)

 

 

介護リーダーの仕事と役割がわかる!

 

-振り返りの意義

 

 

介護現場は変化が多い世界といえます。たとえば、介護現場ではさまざまなスタッフが働いていますが、そのスタッフの顔ぶれはいつも同じというわけではありません。制度や仕組みがよく変わり、社会から求められる要求も高まります。それに対応して経営側からの現場への要求が変化します。

 

 

そうした状況の変化の中で、さらに新しい能力のスキルがリーダーに求められます。そこで、変化を乗り越えていくためには、リーダーは常に自分を成長させていくことが必要になってきます。

 

 

では、自分を成長させるためには何をすればよいのでしょう? 漠然と新しい知識やスキルを身につければ、それだけで成長できるというものではありません。まず取り組むべきことは、自分のこれまでのあり方を振り返り、しっかり自己点検をしてみることです。これは、人材育成の分野で注目を集めており、「リフレクション」とも「内省」とも呼ばれます。

 

 

反省がどちからというとマイナス面に焦点を当てるのに対し、振り返りは、失敗経験も成功体験も含めてこれまでの自分を見つめ直すことです。そこに至ったプロセスや結果を整理することによって、これから自分の行動に役立つノウハウを見出していこうというものです。

 

 

かつて学校教育や人材育成の現場では、「経験(現場の経験)」か知識(研究室での学習)か」の二者択一の議論がなされていました。しかし最近では、経験したことをしっかりと振り返り、そこから新しい知識(知恵や教訓)を導き出すことに焦点を置いた教育が進められています。リーダーが率先して振り返りを実践し、チーム内にも習慣化させることで日常的な学びと成長の場をつくっていきましょう。

 

 

実際に振り返りを行う場合、リーダーが担う業務に焦点を当て、その業務上の実績などを点検することから始めてみましょう。リーダーの業務は、介護の知識や技術に関する面と、マネジメントの知識や技術に関する面に分類できます。それぞれに分類欄に自己点検項目を書き出してリストをつくり、振り返るようにしましょう。