第3598冊目「権力」を握る人の法 ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)

 

 

 

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

 

 

 

-自分にあった出世街道を見つける

 

 

地位や権力を手に入れようとするときに重要なのは、自分の適性や関心に合ったところで始めることである。仕事の中には、とりわけ多くの政治的スキルを必要とするものがある。たとえばプロジェクトマネジャーやプロダクトマネジャーは、その一つだ。協力を仰がなければならない部署や社員に対して人事や賞罰などの正規の権限を持たないのに、プロジェクトの達成という重大な責任を負う。経営幹部のアシスタントも、そうした仕事の一つと言えるだろう。人目に付く存在であり、大勢の人の協力を得て仕事をこなさなければならないに、たいした権限は持っていない。こういう仕事では影響力を巧みに使い、賢く水面下の交渉や根回しをする手腕が要求される。政治的スキルは身につけておくことが望ましいし、先ほど紹介したメアリーのように新しい自分を発見する人もいる。だがそうは言っても、がらりと自分を変えるのはむずかしいものだ。メアリーにしても、もともとリーダーシップ志向は待ち合わせていたのに、それまで発揮するチャンスがなかったか、意識的に避けていたのだと考えられる。だからまずは、興味があって向いていると思える環境に身を置くことが大切だ。そうすれば、仕事の技術的な面と政治的な面の両方で成功を収められるだろう。