第3500冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-態度はノンバーバル

 

 

態度が勝利をもたらし、敵を打ち負かし、友情を育み、契約を獲得し、販売を成功させ、周囲からの信用を得る。だから見くびってはいけない。態度は自分でコントロールできるもの、活用できるもので、ある意味では学位よりずっと簡単に手に入れることができるのに、はるかに貴重なものにもなる。態度はノンバーバルだ。おそらく私たちがマスターしなければならないもののなかで、態度ほどとらえにくいものは、ほかにはないだろう。

 

 

先日、私はあるテレビのプロデューサーから問い合わせを受けた。経済の激動期を迎えている今、就職のための面接で自分をできるだけ魅力的な人間に見えるには何ができるかについて、番組を作りたいとのことだった。私の最初の返事は、「態度」だった。「これまで私が話をした人は、みんな同じことを言いました」と、プロデューサーは感想をもたらした。それが解決の糸口だ! 同じ技能と同じ経験をもつ人がふたりいたら。態度で差がつく。

 

 

態度に価値があるのだろうか? 態度がよければ、メダルをもらったり、銘板に名を刻まれたりするだろうか? フロリダ州タンバの街に行けば、どの都市にもあるような戦争の英雄の銅像が銘板がないことに気付くにちがいない。ただし繁華街にひとつだけ銘板があり、それはイーストマディソン通りとノースフランクリン通りの交差点の歩道に埋め込まれている。刻まれた名はエアリー・ハドフィールド・ワットだ。それ誰? と疑問に思うだろう。南部出身の有名人か、病気の治療法を発見した人物か? どちらも違う。彼女はたったひとつの理由で永遠に名を残した――それは日ごろの態度だった。メアリーはその四つ角で果物を売っていたのだが、三三歳の若さで、癌のために世を去ってしまった。すると、まるでタンバの町から太陽が消えてしまったかのように感じられた。彼女の態度、まわりの人々を幸せにする彼女の力が、あまりにもすばらしく深淵なものだったので、市はその栄誉を称えなければならないと考えた。親切な行動、まわりの人たちにふりまく笑顔、その態度が、功績と認められた人物がここにいる。

 

 

人から言われて本物の笑顔を作ることはできないように、よい態度は人から無理強いされてできるものではない。態度は自分次第。私が言えるのはこれだけだ――人生に成功したいのなら、すばらしい態度を身につけること。誰でも悲観的な人物やうんざりする考え方の上司を知っているだろう。そして誰でもそういう人のそばから離れたいと思う――そうすべきだ。すばらしい態度は扉を開き、壁を壊す。すばらしい知性よりも価値が高い。私たちがもつ最高のものを引き出し、友情を育み、まわりの人にいっしょにいたいと感じさせ、信頼を生む。