第34622冊目 できる人の仕事の基本ワザ大全―――時間管理から人間関係、発想術まで、今日からすぐ使える! (知的生きかた文庫) 幸運社 (編集)

 

 

 

 

-着想を寝かせて、「思いつき」を進化させる

 

 

夕食に作ったカレーを翌朝、温め直して食べると、一段とおいしくなったように感じますね。これは、一晩「寝かせた」ことでルーと具材がなじみ、よけいな水分も抜けて、うまみが増すからといわれています。

 

 

企画やアイデアをカレーと同じ扱いにするわけではありませんが、「寝かせる」という過程には大切な意味があります。

 

 

企画もアイデアも、ひらめいた瞬間は誰もが「名案が浮かんだ!」と感じるものです。しかし、それが本当に素晴らしい企画なのか、画期的なアイデアなのかを検証する必要があります。

 

 

ひらめいたその場で、「ああでもない、こうでもない」と検証することももちろん大切ですが、ひらめいてから時間がそれほどたっていない場合、冷静な判断を下すことは難しいものです。「せっかくひらめいたのだから、このアイデアをなんとしても実現させたい」という思いが強くなってしまいます。だからこそ、いったんそこから離れて、クールダウンした頭で再度検証する必要があるのです。これが「寝かせる」ということです。

 

 

もちろん、ひらめいた時点で一分の隙もない企画・アイデアが完成していることもあるでしょうが、たいていは「ヌケている部分」「重複している箇所」があったり、「思いもよらない弱点」に気がついたりするものです。

 

 

だからといって、その企画・アイデアがNGというわけではありません。ヌケていた部分は穴埋めをし、重複箇所は整理し、気づいた弱点は補強すればいいのです。

 

 

企画やアイデアを思いついたら、それをすぐ上司に提出したり、会議で発表するのではなく、「寝かせる」過程を入れましょう。それも一度だけでなく、二度、三度と繰り返すことで、「よし、これならいける!」という地点まで磨き上げてください。