第3449冊目 できる人の仕事の基本ワザ大全―――時間管理から人間関係、発想術まで、今日からすぐ使える! (知的生きかた文庫) 幸運社 (編集)

 

 

 

 

-手柄はみんなのもの、ミスは自分の責任

 

 

「社長や会社は神輿のようなもの」

 

 

これは名経営者と呼ばれた、ある人物の言葉です。「周囲からは立派に見えるだろうが、自分だけでは一歩も動けない。優秀な担ぎ手がいなければ神輿が町を練り歩くことができないように、優秀なスタッフや社員が懸命に働いてくれなければ、経営者も会社も立ちゆかない」というわけです。

 

 

これは「社長」や「会社」だけでなく、上司やプロジェクトリーダーにも当てはまる言葉でしょう。

 

 

部下やスタッフ、社員たちはいい仕事をしてもらうには、つまり、神輿をしっかり担いでもらうには、働きやすい環境を作る必要があります。そのためには、「手柄はみんなのもの、ミスは自分の責任」という考え方が大切です。

 

 

しかし、自分の失敗を「部下やスタッフのせいで、うまくいかなかった」と考える上司やリーダーをしばしば見かけます。これでは仕事に支障が出るだけでなく、人間関係までぎくしゃくします。

 

 

ある結果に対して、その原因が自分以外にあるとする考え方を「外的帰属」、自分にあるという考え方を「内的帰属」といいます。

 

 

失敗を外的帰属で考える傾向が強い人は、失敗しても自分のどこかに原因があったのかを学ぼうしません。何度も同じ失敗を繰り返し、そのたびに責任を周囲に押しつけます。そんな上司のもとに、「しっかり担ごう」と思う部下やスタッフが集まるわけがありません。

 

 

ただし、ミスや失敗を内的帰属、つまり「自分が力不足だったから、うまくいかなかった」とだけ考えると大きなストレスになります。それでも、部下やスタッフと良好なコミュニケーションをとって実力以上の力を発揮してもらいたいと思うなら、それくらいの覚悟は必要です。

 

 

上司やリーダーとして「部下やスタッフに恵まれない」「仕事のレベルが要求水準に達しない」と感じていたら、まずは外的帰属が強すぎないかを自問自答したほうがいいでしょう。