第3415冊目90秒で好かれる技術 単行本(ソフトカバー) – 2011/8/16ニコラス・ブースマン (著), 中西 真雄美 (翻訳)

 

90秒で好かれる技術

90秒で好かれる技術

 

 

 -人と出会ってたら、相手の目を見てほほえむ

 

 

「相手が君のことをちゃんと見てくれていないと感じることが一日に何度ある?」

 

 

「何十回とあります」私は答えた。

 

 

「それなら君は何十回とチャンスを無駄にしているんだよ。君と相手との関係、たとえば顧客や仕事仲間、受付係やタクシーのドライバーといった人との関係をベストな状態にするために、もっとも簡単で効果のある、しかも金のかからない方法――それは、相手の目を見てほほえむことだ。なぜだかわかるかい?」

 

 

「誠実さや相手の関心をもっていることを伝わるからでしょう」

 

 

「いい答えだ。だがそれだけじゃない。もし君の好きなニュースキャスターが、うつむきながら、または窓の外を見ながらニュースを伝えていたら、真剣に聞く気になるかい?」

 

 

「なりません」

 

 

「メッセージは声の届くところに送られる。声は視線を向けたところに届く。出会った相手がまったく視線を合わせてこなかったら、どう感じる? 相手が視線を合わせてきた場合は? 会話の相手が誰かほかの人と視線を交わしていたら、君ならどう思う?」

 

 

アイコンタクトは、もっとも大切な非言語コミュニケーション手段のひとつだ。目は心の窓といわれるが、営業の窓口である。なぜなら、アイコンタクトは互いのあいだに信頼があることを無意識のうちに伝えてくれるシグナルだからだ。

 

 

また、人とつながりをもちたいとき、目は大事な疑問に答えてくれる。こちらの話の内容に注意を向けているか? 自分に魅力を感じているか? 気に入ってくれたか?

 

社会生活やビジネスの場のおいて、アイコンタクトの微妙な差異が多くを語ることがある。たとえば、相手が目を細め、やや下向きかげんで軽く一方に顔を向けたら、なおかつ視線を合わせてくる場合は、非常に親密な話をしようとしているというシグナルだ。目が優越感を伝える場合もあるし(顔は上向きかげん)、敵意を示す場合もある(視線が一定でぐらつかない)。逆に、視線をそらすことが弱さや何かを避けたい気持ちを表すこともある。だから、大事な話をしたいときは視線を意識しないといけない。

 

 

マルドゥーンはまっすぐに私の目を見つけ、静かにゆっくりとこう言った。

 

 

「目は権威を放ち、君のメッセージに方向性と焦点と意味を与えてくれるんだ」

 

 

彼は私をじっと見つめた。

 

 

私が目をそらすと、「わかったかな?」と尋ねた。

 

 

「はい」と私は力強くうなずいた。

 

 

「なら、笑顔を見せてごらん」。私は不自然な笑い顔をつくった。そのとたん、「なんだ、それは?」というマルドゥーンの言葉が返ってきた。

 

 

「やれt言われてできるもんじゃありません」

 

 

「うぬぼれだな。意味もなく笑顔を見えたらバカだと思われるんじゃないかと心配か?」

 

 

「バカどころか、まぬけですよ」

 

 

「よし、なら教えてあげよう。われわれが人とつき合う際の合図として使えるのは、何も目だけじゃない。相手に好印象を与える一番手っ取り早い手段は、笑顔だ。君が笑顔を見せれば、世界中が君に笑いをかえてくれる。

 

 

笑顔を見せるというのは、すなわち「私近寄ってきていいですよ」「私は喜んでいますよ」「信じていますよ」というシグナルを多くっているのと同じだ。つまらないうぬぼれで、成功への道をふさいでいる場合じゃない」