第2913目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • 集中力のカリスマ――プレゼンスと自信


ペイパルの共同創業者で現在はテスラ・モーターズのCEO(最高経営責任者)を務めるイーロン・マスクは、集中力のカリスマのお手本だ。本人に訊けば、自分はとても内向的だと答えるだろう。テスラの開放的なオフィスで、マスクのデスクは右奥の隅にある。2台の大きなモニターが囲いのように配置され、周りから彼の姿は見えない(ほとんど席にいないのだが)。


しかし、モニターの後ろから現れるマスクは、プレゼンスと集中力をフルに発揮している。彼と向き合えば、彼が注意力を飛び澄まし、あなたの言葉にじっと耳を傾け、すべてを吸収しようとしているのを感じるだろう。彼が何を言わなくても、こちらを理解していることが伝わってくる。非言語のボディランゲージが、あなたの言葉を漏らさず聞いて理解していると思わせるのだ。


集中力のカリスマは、主にプレゼンスを感じさせる能力にもとづいている。相手のそばにいて、相手の言葉を聞き、すべてを吸収していると思わせる能力だ。集中力のカリスマがある人といると、自分の言葉を聞いてもらい、理解されていると感じる。このカリスマの威力を見くびってはいけない。驚くほど強力なのだ。