第2337冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)


アイコンタクトをめぐる大きな問題は、恥ずかしくてアイコンタクトが足りなくなることと、注意力が散漫でアイコンタクトが足りなくなることだ。どちらもあなたのカリスマの潜在能力を台無しにしかねない。しかし、双方に同じくらい効果的なテクニックがある。すなわち、感覚を探究するテクニックだ。誰かの目を見つめながら、その瞬間の肉体的な感覚に意識を集中させる。このテクニックにより、恥ずかしさが障害になるという人は、恥ずかしいという違和感を客観的に見やすくなる。注意力散漫が障害になるという人は、目の前の瞬間に集中しやすくなる。


あなたはパーティーに出席しているとしよう。上司の妻に腕をつかまれ、信じられないほど退屈な話を耳元で延々とされている。聞いているふりはするが、ほかのことを考えてたり、あなりを見回したくなるかもしれない。ただし、どちらも外から見てわかり、あなたのカリスマ性を損なうだろう。こんなとき集中力を保つために効果的なのが、プレゼンスのテクニックだ。


プレゼンスに関する洞察やツールは、適切なレベルのアイコンタクトを保つためにも役立つ。ただし、それだけでは十分ではない。カリスマになるためには、適切な種類のアイコンタクトを使いこなさなければならないのだ。私たちの目の周りに表れる緊張の種類と強さは、人々が私たちをどのように感じるかを劇的に変える。


この分野に詳しい神経科学者のレ・フェミは、すべては集中力の問題だと考える。狙いを定めて判断を下すような集中力を払っているときは、体内のストレス経路が継続的に軽度の警戒を発する。視線が鋭くなり、ストレス反応が増えて、表情も目も緊張する(警察官の目で世の中を見るようなものだ)。この緊張は、私たちが周囲に伝える誠意を大幅に抑制する。


カリスマ的なアイコンタクトは、このような鋭い集中力の焦点をぼかす。目と顔の緊張がすぐにほぐれ、ストレス反応が静まるだろう。より広い「ソフトフォーカス」には3段階で切り替える。両目を閉じて、まず、自分の周りの空間に集中する。次に、部屋の空っぽの部分に集中する。そして、府中空間全体に集中する。これでソフトフォーカスに切り替わった。