第1168冊目 イラッとされないビジネスマナー社会常識の正解 尾形圭子


イラッとされないビジネスマナー社会常識の正解

イラッとされないビジネスマナー社会常識の正解


優秀な人の真似からはじめる


「今のうちに何でも聞きなさい。入社後3か月が過ぎたらもう一人前ですから、聞くこと自体が恥ずかしくなりますよ」


このようなことを、上司や先輩から言われたことはありませんか。


仕事のスキルは、その多くが上司や先輩からの指導のもとで実務経験を積むことによって磨かれます。OJT(=On the Job Training/職場内教育)が重視されているのもそのためです。ただ一般的に、初期段階のOJTは、OJTは、新入社員研修とあわせて3ヶ月ほどです。


では、その後はどうすればよいのでしょうか。


おすすめしたいのが、優秀な人の真似をすることです。目標にしたい人や憧れの人をモデルにして、その人の行動を真似るのでうs。


たとえば、営業成績がトップの人、電話対応が得意な人、プレゼンテーションが上手な人、会話が楽しい人、笑顔が素敵な人、常にポジティブな人など、あなたのお手本になる上司や先輩がいるはずです。


モデルは同僚であっても構いません。もし、モデルになりそうな人が職場にいなければ、取引先の担当者などでもよいでしょう。


いずれにしても、モデルを持つことであなたはスキルやマナーを正確に、具体的に、そして効率的に身につけることができます。上司や先輩としても、あなたが自己流の間違ったやり方を覚えるより、優秀な人を真似してほしいと思っているはずです。


人の真似をするのは、テクニックを習得することだけが目的ではありません。言動や外見を真似ることで、その人の考え方(思考回路)や習慣(行動パターン)を身につけることができるのです。


武道の修行では「型」が重んじられます。それは、型に「技」のエッセンスが詰まっているからです。仕事のスキルアップやマナーも同じです。スタイルを繰り返し真似ることで「本物」になるのです。そして本物になったら、自分のアイデアを加えて、「個性」が発揮できるようになります。


こうしたメカニズムは、心理学的な研究によって明らかにされており、「モデリング」という名称で社員研修にも取り入れられています。


最初に入社した会社で覚えたことは、生涯忘れません。一生の財産を先輩からしっぱりコピーしましょう。優秀な人の真似をすることは、あなたが「なりた自分」に近づく早道なのです。