第3215冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔


入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

  • 頼まれなくても議事録を書け


議事録の話はこれまで何度か出てきています。若手社員、とりわけ社会に出て間もない新人にとっては、もっとも簡単に取り組むことができ、同時に、基礎的なスキルを身につけることができる仕事なのです。


「岩瀬君、今日の会議の議事録を作っておいてね」


わざわざ指示を出されるかもしれません。それでも、会議の議事録の作成は自分の仕事だと思って、頼まれなくても率先して取り組んでみてください。


議事録をまとめて文句を言う上司はいないはずです。そして、遅くても24時間以内に上司や先輩の手元に届けるのです。もっと早く仕上げられるならば、そのほうがベターです。早ければ早いほど、チームにとってもあなたにとってもプラスになります。


「先に結論を書け」
「テーマ別に要点をまとめろ」
「こんなに詳しく作らなくていい」


自ら進んで取り組んだのだから褒められて然るべきだと思いきや、上司や先輩からは様々な指摘が飛んでくると思います。これこそが財産です。一つ一つの言葉を、自分の糧にしてストックしてください。近い将来、あなたは100点満点の議事録を書ける力を身につけていることでしょう。


パソコンが一人一人支給されていなかった時代、議事録も手書きで対応していました。書いたものをコピーして、全員に配布していたそうです。


その時代の優秀なビジネスパーソンは、周りの発言を聞き、自分も議論に加わりながら、押さえるべきポイントを把握していたといいます。頭の中のポイントを取捨選択し、順序を入れ替え、その場で議事録を書き上げたそうです。


新入社員時代、最初についた上司から教わったのは「議事録は時系列で書くな」というポイントです。その上司が僕に伝えたかったのは、人の話は論点を整理しながら聞けということだったと理解しています。


要点を即座に把握し、課題やメッセージを的確に掲示できるようになれば、自分なりの付加価値をつけることはそう難しいことではありません。


そうすることで、あなたの「仕事力」は格段にアップするはずです。