第875冊目 話し方入門 新装版 [単行本]

D. カーネギー (著), Dale Carnegie (著), 市野 安雄 (著)

話し方入門 新装版

話し方入門 新装版

巧みな話し手は、語彙を増やしたり比喩的な表現やいいまわしをゆたかにして、自己を改良する能力に欠けていると考えることをいさぎよしとしません。自己を改良することに関心をもつ人ならだれでも、その余地を見つけ出せるものです。

声量や声の高さや話し方の速度について自己批判をするのは、すばらしい思いつきです。それには、テープレコーダーの助けを借りることです。他方、友人に頼んで批評してもらうのも役にたちます。専門家の助言が得られるならばなおさらけっこうです。しかし、この際念頭におかなくてはならないのは、これらはいずれも聴衆のいないところでの練習だということです。聴衆の前で話すとき、テクニックに紀を使うことは、話の効果をいちじるしく減殺するでしょう。いったん聴衆の前に出たら、話のなかに自己に投入し、聴衆に知的、情緒的な印象を与えることに全身全霊を集中しなさい。そうすれば十中八、九、読書から得られる感動とは比べものにならないほどの力強さと説得力のある話ができるでしょう。