第910冊目  話し方入門 新装版 [単行本]D. カーネギー (著), Dale Carnegie (著), 市野 安雄 (著)

話し方入門 新装版

話し方入門 新装版

声を力強く柔軟にする訓練をつむこと

聞き手の人たちに考えを伝えているとき、私たちは声や肉体のさまざまな変化に富んだ要素を利用しています。型をすぼめたり、腕を動かしたり、まゆをしかめたり、声を大きくしたり、声の高さや抑揚を変えたり場合や話題に応じて早く話したり遅く話したりします。こういった要素はすべて、原因ではなく結果であることを覚えておかれるといいでしょう。時間の調節に即して変化させれられる要素は、われわれの精神と感情の状態から直接の影響を受けます。聴衆の前に立つとき、自分がよく心得ている話題、自分が心を動かされるような話題を用意していることが肝要とされるのは、このためです。

たいていの人は、年をとっても、若いころののびのびとしたしぜんさを愛惜するたに、発声にせよ身ぶりにせよ、きまった型にはまりこみがみです。活気あるジェスチュアを用いようと心がける人もすくなく、声を高めたり低めたりすることもありません。ひとくちにいって、真の会話の新鮮さとのびやかさを失ってしまうのです。話し方は一律に遅すぎたり、早すぎたり、また、よほど気をつけないといいまわしもだらしなく散漫になりがちです。本書のなかで、私はくり返し、しぜんにふるまいなさい、とお勧めしてきました。それなら、わざとらしくさえなければ、お粗末ないいまわしや単調な話しぶりでも大目に見るだろうと思われるかもしれません。ところが事実は逆で、私がしぜんであるべきだというのは、われわれの身についた考えを、心をこめて表現するという意味なのです。一方、巧みな話し手は、語彙を増やしたり比喩的な表現やいいまわしをゆたかににして、自己を改良する能力に欠けていると考えることをいさぎよしとしません。自己を改良することに関心をもつ人ならだれでも、その余地を見つけ出せるものです。

声量や声の高さや話し方の速度について自己批判をするのは、すばらしい思いつきです。それには、テープ・レコーダーの助けを借りることです。他方、友人に頼んで批評してもらうのも役立ちます。専門家の助言が得られるならばなおさらけっこうです。しかし、この際念頭におかなくてはならないのは、これらはいずれも聴衆のいないところでの練習だということです。聴衆の前で話すときに、テクニックに気を使うことは、話の効果をいちじるしく減殺するでしょう。いったん聴衆の前に出たら、話のなかに自己を投入し、聴衆に知的、情緒的な印象を与えることに全身全霊を集中しなさい。そうすれば十中八、九、読書から得られる感動とは比べものにならないほどの力強さと説得力のある話ができるでしょう。

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