第768冊目 仕事力 青版 朝日新聞社/編著 北城恪太郎/〔ほか著〕

仕事力 青版 (朝日文庫)

仕事力 青版 (朝日文庫)

目次


いま持てる全力を注ぐ―北城恪太郎(日本アイ・ビー・エム最高顧問)
基礎仕事力が翼となる―林真理子(作家)
命の限り、人は仕事―新藤兼人シナリオライター、映画監督)
背骨となる価値観はあるか―丹羽宇一郎伊藤忠商事取締役会長)
サバイバルは当たり前―羽生善治将棋棋士
自分の得手で、人を応援する―水野正人(ミズノ代表取締役会長)
ポジションをつかめ―齋藤孝明治大学教授)
硬くなる頭と闘う―安藤宏基(日清食品ホールディングス代表取締役社長・CEO)
決断によって、キャリアは育つ―橘・フクシマ・咲江(コーン・フェリー・インターナショナル日本担当代表取締役社長)
「面白い!」の連続をめざせ―吉田忠裕(YKK代表取締役社長)
働きがいをつかんで生きよ―立石義雄オムロン代表取締役会長)
新しいアングルを探し求めよ―茂木友三郎キッコーマン代表取締役会長CEO)
知と想像力がパワーである―猪口邦子衆議院議員
一緒に泣き、笑ってこそ仕事―石原邦夫(東京海上日動火災保険取締役会長)
まだまだである―武豊(騎手)


不機嫌な人からは仕事が遠ざかる


あなたがまた一緒に仕事をしたいと考えている人を思い浮かべて欲しい。舌を巻くような能力を持っているのに気むずかしくて、いつも機嫌の悪い人はいるでしょうか。たとえばいい仕事をしている名のある人間でも、その機嫌の悪い仕事ぶりを一度でも体験してしまったら、この次は二の足を踏むのではないでしょうか。


どのような仕事でも、まず担当者同士の細やかな打ち合わせや話し合いから組み立てられていくものだから、この段階で気持ちのいいコミュニケーションが必要なのです。


相手の話にうなずく、目を見る、相づちを打つ、質問する。学生はこれができない。逆にいい仕事をする社会人には上機嫌な人が圧倒的に多いと感じます。そういう仕事人にはさらに仕事が集まり、経験値という能力も増していく。反応しないことが仕事人としてはもっとも危険だと思います。


仕事は困難なものであり、体もきつい。ただ一緒に働く人間同士が、労働を共にする時間が楽しい、とそれぞれに上機嫌でメッセージを出し続ければ、それはまるで祭りのような時間になっていく。


かつて日本人は、働くことを祭りのようにいきいきと楽しんでいたことが、宮本常一の著書『忘れられた日本人』(岩波文庫)に出ています。「歌の上手な人はあって田の畦で歌をうとうてもらう。するとわしらもそれにあわせてうたう、歌にあわせると手も調子がついて仕事がはかどったもんでありました」。チームでする仕事は喜びです。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


「家計簿をつけることは面倒くさいことです。しかし、家計簿をつけないともっと面倒くさいことが起こります」――本田直之

 

編集後記




仕事力 青版 (朝日文庫)

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