第694冊目 スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン 人々を惹きつける18の法則 カーマイン・ガロ/著 井口耕二/翻訳

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

習得には1万時間が必要
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「生まれながらの達人」など存在しない。スティーブ・ジョブスが傑出したプレゼンターなのは努力したからだ。


「研究の結果から推測されるのは、トップクラスの音楽学校に入れるだけの能力あれば、あとは、どれほど努力するのかによって、そのあとミュージシャンとしれどこまで進めるのかが決まるということだ。それ以外にない。また、頂点に立つ人は、努力が他人より多いという程度でもずっと多いという程度でもない。圧倒的に多いのだ」


「天才! 成功する人々の法則」を書いたマルコム・グラッドウェルの言葉だ。この話はミュージシャンについてであるが、優れた成果を挙げた人々についてはさまざまな研究が行われており、何かが上手な人は必ず練習を積んでいることが確認されている。神経科学の専門家でミュージシャンでもあるダニエル・レビティンは、1万という数字がポイントだと言う。


「そのような研究から明らかになったことですが、どのようなことであれ、世界的に達人というレベルまで熟達するには1万時間の練習が必要なのです……作曲家、バスケットボール選手、作家、スケート選手、ピアニスト、チェスプレイヤー、天才的な犯罪者と何を対象に研究してもこの数字が登場します。練習してもうまくならない人もいれば同じ練習量でもどんどんうまくなる人がいるという問題は別個にしてありますが、でもともかく、これより短い時間で世界的な達人の域に到達した例は見つかっていません。熟達といえるほど多くのことを頭が吸収するにはこれだけの時間が必要なのだと考えるべきでしょう」


脳が学習する仕組みから1万時間の法則に合理性があるとレビティンとグラッドウェルは言う。学ぶというのは神経組織の整理統合を伴うものであり、ある行為について経験値が上がるほどつながりが強固になるというのだ。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


天才!  成功する人々の法則

天才! 成功する人々の法則



目次


第1幕 ストーリーを作る(構想はアナログでまとめる
一番大事な問いに答える
救世主的な目的意識を持つ ほか)
第2幕 体験を提供する(禅の心で伝える
数字をドレスアップする
「びっくりするほどキレがいい」言葉を使う ほか)
第3幕 仕上げと練習を行う(存在感の出し方を身につける
簡単そうに見せる
目的に合った服装をする ほか)


今日の声に出したい言葉


「ノ ウハウ本には、著者が苦労して編み出した方法論などが載っています。それが1500円程度で追体験でき るわけです。もし、その方法論を自分の力で見つけようとしたら、莫大な時間と費用がかかってしまう。利用できるものは利用するに限ると、私は思います」 ――荘司雅彦

 

編集後記


昨日、「目のつけどころ」を良くするため他人になりきってみました。


他人になりきると言っても、人の歩き方を真似るだけですが。


おもしろいことに歩き方を真似ると、その人がどいういう正確なのか手に取るようにわかるのです。


下を向いて目を虚ろにして歩く人、胸を張り大きな歩幅で歩く人、あごを上げ眼を飛ばしながら歩く人。


浦沢直樹さんの「MONSTER」という漫画にハインリッヒ・ルンゲという敏腕警部がいます。ルンゲ警部は犯人を捜すときに、犯人になりきることによって犯人の動機や殺害方法を導き出します。


ルンゲ警部のような捜査方法はアニメの世界だけかと思っていましたが、現実の世界でも同じようなことができることを実感した1日でした。


Monster (1) (ビッグコミックス)

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