第275冊目 人の心を動かす文章術 /樋口裕一/著

人の心を動かす文章術

人の心を動かす文章術

私は、文章を書くという行為を多くの人にとって退屈を苦行にしている最大のものは、この「本当のことを書け」というしつこくだと考えている。

ふだんはほとんどの人が見過ごしてしまいそうなことに目を向けて、そこに人生の機敏や新しい発見を書きつけてやるというのも、面白い文章になる。

面白い文章というのは、自分のなかの秘密の部分にも、他者のなかの秘密の部分にも気づいたうえで書く文章だ。

何かを書くとき、全部を書こうと思わないことも、大事な点だ。

人と違った文章を書くときには、自分の立場を明確にすることも大切だ。

面白い文章にするコツ、それは、まず書き出しを工夫することだ。

くわしく描写をすることによって、読み手はその立場にいるように感じる。描写がないと情景が思い浮かばない。したがって、リアリティを出すためには、起こったことを目に浮かぶようにくわしく書いて、読んでいる人が想像できるようにすることだ。

会話を使って、やりとりを上手に書くのも、リアリティを出すうまい方法だ。とくに会話体に工夫すると、目の前で会話がなされているかのように聞こえてくる。まるでシナリオのように読みやすくなる。


文章を書き終わったら、推敲するのが原則だ。

第1章 文章を書くのはテクニックである
第2章 人とちがった文章が面白い
第3章 文章の型を利用する
第4章 書き出しで読み手を引きつける
第5章 リアリティを作りだす
第6章 描写したり、形容したりする楽しさ
第7章 リズムのいい文体、メリハリのある文体
第8章 ドラマを真似して盛り上げる
第9章 主題に絞り込む
第10章 推敲する

人の心を動かす文章術

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