第４５５冊目　伝える力　「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える！　池上彰／著

優れた文章を書き写す

私はNHKの記者時代、ニュース原稿を数え切れないほど書きました。

しかし、入社当時は何をどう書いたらよいのか、さっぱりわかりませんでした。経験がなかったのですから当たり前です。

そこでとった行動が、先輩記者が書いた原稿を書き写すこと。

さらに、NHKラジオの全国放送のニュースを録音し、それを書き起こしました。

この方法は何も私の専売特許ではありません。作家を目指す人も、自分が好きな作家の文書を丸写しして、文章力を磨く練習をすることがらくあるようです。浅田次郎さんも「文章修業のため、川端康成や谷崎潤一郎らの文章を書き写した」と発言しています。

先輩や上司の書いた文書を書き写す作業は時間がかかりますが、読み込んだ中から「これは」と思うものを選び出して書き写してみると、学べることは多いはずです。

今日の名言

「明日を耐え抜くために必要なものだけ残して、あらぬる過去を締め出せ」――ウィリアム・オスラー

第１章　「伝える力」を培う
第２章　相手を惹きつける
第３章　円滑にコミュニケーションする
第４章　ビジネス文書を書く
第５章　文章力をアップさせる
第６章　わかりやすく伝える
第７章　この言葉・表現は使わない
第８章　上質のインプットをする