第276冊目 カウンセラーの「聴く力」 コミュニケーションを円滑にする「アクティブ・リスニング」のすすめ 菅野泰蔵/著

カウンセラーの「聴く力」

カウンセラーの「聴く力」

「すべてのストレスは人間関係に通ず」

相手の話に強い興味を抱くのはいいとしても、とりあえず自分のことはおくようにする。そして、相手の話を聴く、そういう姿勢を確立していない人が、より人の話を聴けるようになるために、まず「オウム返し」を訓練として始めるのはひじょうに意味があるわけである。

A「この間、北海道に旅行に行ったんですよ」
B「へえ、北海道か」
A「ええ、バイクでツーリングしたんですよ」
B「ほう、バイクでねえ」
A「ええ、楽しかったですよ」
B「うんうん、楽しかったね」

カウンセリングでは、カウンセラーはクライアントの鏡であるという考えがある。鏡は自ら何もいわず、相手の姿を映すのみの役割でいいということである。


相手の言ったことをオウム返するのは、「今あなたが言ったことはこういうことですね」という不断の確認にもなる。

自分の話ばかりをする人たちが多いこと。逆に、ただうなずくしかない人たちが多いことをふまえ、まず質問する習慣を身につけていくようにしよう。相手の話を聴きながら、さて何を質問したものか、それをいつも考えるようにするのである。

上手に質問していく第一のコツは、相手の話をよく聴くことである。よく聴いていれば、必ず返すポイントが見つかるものである。

第1章 リスニング、「聴く」ことの再考
第2章 リスニングを学ぶ
第3章 相手の話を受け止める
第4章 応答の基本
第5章 訊くこと、問うこと
第6章 質問力を身につける
第7章 質問の工夫

カウンセラーの「聴く力」

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