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第3914冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-教えるのが苦手な人が多い
人材育成については、リーダーになったばかりの人から、次のような言葉がよく聞かれます。
指導育成といわれても何から始めばよいのか、まったくわからない
自分がちゃんとできていないのに、人に教えるなんてできない
人に何かを教えたことなんてない。気が重い。
自分ではこのように言っていても、リーダーに選ばれたのは、これまで専門職としてがんばってきたこと、積み重ねてきたスキルなどが評価されたといえます。また、あなたのサービスで喜んでいた利用者が必ずいるはずです。
もし、あなたがいなくなったら
指導役のあなたがいなくなると、ほかに教える人がいなくなり、そのスキルは職場の仲間にも伝わなくなります。その結果、施設・事業所のサービスは低下して、満足していた利用者が離れてしまうことも考えられます。
介護職には、気持ちのやさしい人が多く、マネジメント、指導育成などに強い苦手意識をもつ人も少なくようです。しかし、経験を積んだり能力を高めてきた人は、どんな業種でも、自分のもつスキルなどを周囲の人に伝えていくものです。職業人として、素直に人から教わることは重要ですが、そのように学んだことを、また別の人に伝えることも職業人としての重要な務めであると考えましょう。
何気なく行っていることを、言語化する
教えるのが苦手という人は、自分の行っていることを言語化していないだけなのかもしれません。これまで、さまざまな介助をする、記録をとる、利用者の心身の状態を観察するなど、仕事が身につき、無意識のうちに行っていることでしょう。それを意識的に言葉にすることで、人に伝えることができるようになり、自分の自信につながります。言葉で言い表すこと(言語化)が教え上手になるための一歩になります。
言葉や文章にして伝える
今まで何気なく行ってきたこと(自分だけの知識や技能)→言葉や文章にする→周囲に伝える→職場の仲間全体の知識や技能になる