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第3900冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
-コミュニケーション力
コミュニケーション力は、心と心を通わせる力を指す。相手の思いを的確に理解すると同時に、自分の思いを的確に伝えていく力である。
この力を身につけるためには、多くの人が見落としがちなコミュニケーションの基本特性を理解する必要がある。とりわけ重要なのは、次の三点だ。
第一は、「伝えたから伝わるとは限らない。伝わるように工夫をするとう特性」。相手が「わかった」と意思表示をしたとしても、本当に思いが伝わっているとは限らない。思いが伝わるよう知恵を絞る。身につけたすべてのコミュニケーション・スキルを用いて、伝え方を工夫する姿勢を示す。
第二は、「本人が言葉にして伝えてくれたことが、本人の思いを言い表しているとは限らないという特性」。思いを理解するためには、表情、仕草、これまでの関わりなどを通して得た情報を整理分析し、理解に努めていくという姿勢が必要になる。
第三は、「人がある時点で示した思いは、時の流れや置かれている状況が変わることによって、当初把握したものとは異なるものに変貌を遂げることがあるという特性」。ある時点で思いを確認したから、それで終わりとはとらえない。その後の関わりのなかで、気持ちの変化や新たな思いの発見に努める姿勢が必要となる。
こうした原則を把握したうえで、コミュニケーション・スキルに磨きをかけていくことが必要となる。
人望力
人望力とは、人からリスペクトされ、信頼される力を指す。この力を身につけるためには、リスペクトされる何かを手に入れるべく努力しなければならない。他の職員から「すごい。いつかああなりたい」「一緒にいると自分の成長にもつながる」と思われる部分を磨く必要がある。
では、具体的にどのような部分を磨くのか。ポイントは次の通りである。
品性や品格、身だしなみ、話し方、物腰などといった一人の人間としての総合的魅力
仕事に対する職業人としての基本姿勢(表情、所作、動作、立ち居振る舞い、段取りなど)
専門的な知識、高度なスキルという業務に関するもの
ものの考え方やとらえ方、志、倫理観、人間観ちった思考特性・価値観に関するもの
思いやり、優しさ、心配り、気遣いなど他者への姿勢に関するもの
人への理解、思いの把握など対人理解に関するもの
これらの点をレベルアップし、磨きをかけていくことが必要となる。