第3801冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

-コミュニケーション力

 

 

コミュニケーション力は、心と心を通わせる力を指す。相手の思いを的確に理解すると同時に、自分の思いを的確に伝えていく力である。

 

この力を身につけるためには、多くの人が見落としがちなコミュニケーションの基本特性を理解する必要がある。とりわけ重要なのは、次の三点だ。

 

 

第一は、「伝えたから伝わるとは限らない。伝わるように工夫をするという特性」。相手が「わかった」と意思表示をしたとしても、本当に思いが伝わっているとは限らない。思いが伝わるよう知恵を絞る。身に着けたすべてのコミュニケーション・スキルを用いて、伝え方を工夫する姿勢を示す。

 

 

第二は、「本人が言葉にして伝えてくれたことが、本人の思いを言い表しているとは限らないという特性」。思いを理解するためには、表情、仕草、これまでの関りなどを通して得た情報を理解分析し、理解に努めていくという姿勢が必要となる。

 

 

第三は、「人がある時点で示した思いは、時の流れや置かれている状況が変わることによって、当初把握したものとは異なるものに変貌を遂げることがあるという特性」。ある時点で思いを確認したから、それで終わりとはとらえない。その後の関りのなかで、気持ちの変化や新たな思いの発見に努める姿勢が必要となる。

 

 

こうした原則を把握したうえで、コミュニケーション・スキルに磨きをかけていくことが必要となる。