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第3728冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-事実と私見を分けて考える習慣をつける
一般に会話の中には事実と私見が混じっています。私見とは、推測や思い込み、個人的な判断や感想のことです。たとえば、以下の言葉は事実といえるでしょうか。
電車の中はとても混んでいて、しかも蒸し暑かった
「とても混んでいる」「蒸し暑かった」は話し手の私見(個人的な判断)です。ただし、これを「電車の中は混んでいて座ることができず、しかも空調が故障してエアコンがついていませんでした」といえば、事実になります。
事実とは「実際にあった事柄で、検証が可能であり、誰も否定できないもの」で、先の例では、「座ることができなかった」「エアコンがついていなかった」は事実になるのです。
次の例については、どちらが私見でどちらが事実が考えてみましょう。
①・小林さんは、がんばって仕事をしていた。
・小林さんは、8時まで事務所に残っていた。
②・平成26年度介護保険制度改正では、地域包括ケアについて大きな進展がみられた
・平成26年度介護保険制度改正では、「地域包括ケアシステムの構築に向けた地域支 援事業の充実」が掲げられた
①②ともに、上が私見で、下が事実です。
事実であるとわかりやすいのは、数字を伴った事実です。信頼できる機関が発表した数字は、否定できません。ただし、その数字を検証してみる必要があります。このように事実を見極めることは決して容易ではありません。
前ページのような日常会話であれば、話の内容が事実かどうかはさほど重要ではないかもしれませんが、介護の仕事の場面ではそうではありません。事実に基づかないことをもとに何かを判断したり決定したりすると、あとで問題が起こる可能性があります。