第3697冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

 

 

-いい上司のもとでしか働いた経験がないというのは極めてレアなケース

 

 

あなたはどうだろうか。これまでの人生のなかで、どれくらい今も感謝の気持ちをもち続けられる上司に出会っただろうか。「ああなりたい」と今でも強く思う上司に出会ってきただろうか。別に社会人になってからではなくてもいい。学生時代に出会ったバイト先の上司も含めて、思い浮かべてほしい。具体的に何人くらい、今も忘れられないステキな上司に出会ってきただろうか。

 

 

続けて、あなたに聞いてみたい。その逆はどうだろうか。これまでの人生のなかで、どれくらい「全然頼りにならない」「信頼感ゼロ」と思うような上司に出会ってきただろうか。「二度と顔も見たくない」と怒り心頭に発するような上司に出会ってきただろうか。別に嫌いではないけれど、上司の役割を果たしてくれず、がっかりするような人に出会ってきただろうか。

 

 

さて、あなたはどうだろうか。万が一、「いい上司しか思うかばない。がっかりさせるような上司なんてこれまで一度も出会ったことがない」という状態であれば、あなたは極めてラッキーだ。私は福祉職員を対象とした研修に年に何十回も講師として出向いている。総計でいれば、おそらく、千回を超えるだろう。中堅職員やチームリーダークラスの指導的立場の職員を対象とした研修における経験からいわせてもられば、「いい上司のもとでしか働いていない」という人に出会うことは数えるほどしかない、ごく稀なケースだ。