第3674冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

 

 

-易きに流されない姿勢を堅持する

 

 

今、福祉領域でリーダーシップを発揮する人には、何が求められるか。そう聞かれたら、私は必ずこう答える。

 

 

「易きに流されず、強い決意と覚悟をもってやるべきことをやり遂げていく。あきらめず、投げ出さずに、ひたすら邁進していく。その姿勢を常にもち続けることが、リーダーには必要とされる」。

 

 

このような主張を聞くと、つい怯んでしまう人がいるかもしれない。組織やチームを率いてきた経験がある人も、「私には無理」と、思わず尻込みしてしまう人がいるかもしれない。

 

 

実際、私のもとには、次のようなリーダーの声が寄せられることが少なくない。

 

 

「そんなつもりはないですけど、つい易きに流されてしまうことがあります」

「思うように職員が動いてくれなくてお、もうこれ以上、無理かなとあきらめたことがあります」

「何とかしようという思いはあるんですが、なかなか、現場は変わってくれないんです」

 

 

気持ちはよくわかる。組織はそう簡単には変わらない。一度出来上がった仕事の手順や方法、段取りなどを見直すのは、実は容易なことではない。職員に繰り返し協力を訴えるが、なかなか理解が得られない。そのために、あきらめの境地に陥ってしまう。そのような経験をしたことがないリーダー職員は、おそらく、この世には皆無だ。