第3565冊目「権力」を握る人の法則 ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)

 

 

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

 

 

 

-誰でも自分を変えられる

 

 

必要な資質が何であれ、若いうちしか身につけられないと考える人が多い。だが、ロン・メイヤーをはじめ多くの成功者の経歴を見ると、けっしてそうではないことがわかる。たとえば、カリフォルニア州議会下院で議長として最長記録を持ち、さらにサンフランシスコ市長も二度務めたウィリー・ブラウンは、初めての弁論大会で予選敗退、初めての選挙でも敗北を喫している。ブラウンは長い時間をかけて寛容の精神を養い、他の人の話に共感する姿勢を身につけ、対人スキルを磨いていった。楽器や外国語を習得するように、またゴルフやサッカーなどスポーツを習熟するように、権力や影響力の獲得には何が必要かを学び、それを開発することは可能である。たしかに若いほど身につきやすいが、しかし遅すぎるということはない。

 

 

ここでは、教え子のジョンを紹介しよう。ジョンは自分に自信がなく、権力や地位などはもっと先になってから考えればいいことだと思っていた。それでも就職活動をするにあたり、せっかうクラスで教わったことをすこしばかり実験してみようと思い立つ。これまでとはちがった行動をとって、どんな結果が出るか見てやろう、と考えた。