第901冊目 「権力」を握る人の法則 [ハードカバー]

ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)


「権力」を握る人の法則

「権力」を握る人の法則


誰でも自分を変えられる


必要な資質が何であれ、若いうちしか身につけられないと考える人が多い。だが、ロン・メイヤーをはじめ多くの成功者の経歴を見ると、けっしてそうではないことがわかる。たとえば、カリフォルニア州議会下院で議長として最長記録を持ち、さsらにサンフランシスコ市長も二度務めたウィリー・ブラウンは、初めての弁論大会で予選敗退、初めての戦況でも敗北を喫している。ブランは長い時間をかけて寛容の精神んを養い、他の人の話に共感する姿勢を身につけ、対人スキルを磨いていたt。楽器や外国語を習得するように、またゴルフやサッカーなどのスポーツに習熟すりょうに、権力や影響力の獲得には何が必要かを学び、それを開発することは可能である。たしかに若いほど身につきやすいが、しかし遅すぎることはない。

ここでは、教え子のジョンを紹介しよう。ジョンは自分に自信がなく、権力や地位などはもっと先になってから考えればいいことだと思っていた。それでも就職活動をするにあたり、せっかくクラスで教わったことをすこしばかり実験してみようと思い立つ。これまでとはちがった行動をとって、どんな結果が出るか見てやろう、と考えた。

ジョンは、学歴や家庭状況からすれば自分がエリートとは言えないと思っていたが、それでも自信ありげに見せる必要がありと理解していた。そこで、大企業の採用担当者がキャンパスを訪問する日になると、他の学生に差をつけるようなスタイリッシュなファッションで身を固める。そしてグループ面談では、仲間に敬意を払いつつも、自分を力強く主張した。「まずまっすぐに姿勢を正して相手に近づき、しっかり目を見て名乗り、向こうが手を差し出す前に握手しました。ブループ面談のときは、真ん中の席を先に選んで座り、積極的に発言しました。それやこれやで、自分は発言力のある学生だという印象を与えられたと思います。

この戦略が功を奏し、ジョンは七社を受けて七社から内定をもらう。これはひとえに自己演出のおかげだとジョンが話している。なにしろ内定通知の多くに、「立ち居ふるまいからして目立ってた」といったコメントが書かれていたという。