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第3563冊目「権力」を握る人の法則
AP通信の敏腕記者ブレンドも、同様の憂き目に遭っている。彼は世界各地を飛び回り、文字どおり命を張って記事を書く。二〇〇六年には北朝鮮の地下核実験という超特ダネをものにした。にもかかわらず、その年のブレントの人事評価は芳しくなかった。これは、編集長に敵対的だったためと考えられる。ブレントは、編集長のせいでせっかくのニュースが台無しだ、とうかつにも上司に愚痴をこぼしていたのである。
以下から導き出せる教訓は、こうだ。上司との関係に気を配りなさい、すくなくとも仕事の成果と同じ程度には気をつけなさい、ということである。上司がミスをしたら、自分以外の誰かが指摘するように持っていく方がよい。もしどうしてもあなたが指摘しなければならないのなら、上司自身が気づくように持っていく方がよい。もしどうしてもあなたが指摘しなければならないのなら、上司自身が気づくように持ちかけるか、でなければ上司の能力のせいではなく、周囲の状況や外部要因のせいにすること。いちばんやってはいけないのは、不快なヤツだとか、ナマイキだとか、敵対的だなどと認識されてしまうことである。