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第3527冊目 FBI捜査官が教える第一印象」の心理学
- 作者: ジョー・ナヴァロ,トニ・シアラ・ポインター,西田美緒子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/01/14
- メディア: 単行本
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-感情は仕事の一部
職場には合理性が行きわたっていると思いたいが、その裏では常に感情が働いている。オフィスのもめごとい巻き込まれた経験がある人に聞いてみるといい。報告書をアシスタントに渡さず直接机の上に置いたら、上司からメチャメチャ怒られたといった、個人的な好みに関わるものから、政治的混乱に不意打ちをくらって職を追われるような事態で、実にさまざまだ。
一日の仕事が終わったとき、あなたの記憶には何が残っているだろうか? たしかにどんな仕事をしたかは覚えているが、さまざまな出来事に結びついて記憶から消えないのは、そのときに感じた気持ちのほうだろう――高揚した勝利の気分、こみ上げるような怒りの感情、胸の痛むような不安、困惑したときのイライラ感。
また、私生活の職業上の生活は分かれていると思いたいが、両方の感情は重なり合い、交差する。私はタンパのオフィスで自分の席にいたとき、マイアミで祖母が世を去ったという悲しいニュースを聞いた。当時のFBIの上級捜査官で、SWATチームのチップでもあり、パッジをつけ、拳銃をもち、デスクでも山ほどの責任をかかえていたが、両親が働きに行っているあいだに長時間にわたってあれこれ面倒を見てくれた祖母を失って、胸がつぶれる思いだった。その日のことを思い返してみると、終えなければならない仕事があったが、感情を抑えようとはしなかった――正直言って、抑えられなかったのを覚えている。このような深刻がことが起きたとき、感情を抑える必要があるとは思わない。これは誰のみにも起こりえることだ。
職場でも感情は力をふるい、広く行きわたっているが、ほとんどの人はそれに対処する方法を教わっていない。感情が自分のまわりや人を圧倒しないように注意しながら、その存在を認める方法を知るのは大切だ。ダニエル・ゴールマンは、心の知能指数について書いたときにそう語っている。