第3474冊目  FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-逃げる

 

 

固まっていても脅威が去らないようなら、次に逃げるという選択肢がある。平野に草をはむ草食動物の群れが、腹をすかせたチーターに襲われたときの目覚ましい反応は、ネイチャー番組でお馴染みだ。一〇〇頭もの群れが一斉に顔を上げたかと思うと(固まる)、その直後には走り出している。

 

 

現代の暮らしでは、不快だと感じる場面に遭遇したとき、いつも立ち去るというわけにはいかないが、いやなものから自分自身を遠ざけようとする大脳辺縁系の働きを止めることはできない。次の章でわかるように私たちの「正直な」脚と足は、遠ざかりたいという望みを示すノンバーバルを見せてくれる。もう会話をやめたいと思う人の足先は、相手から直角の方向を向いている。証人を好きではないと感じた陪審員の脚の向きは、自然と出口のほうを指している。会議室では、自分の意にそぐわない発言をした人からそらすように回転いすを回してしまう。そして嫌いな人に会うと、なんとなく正面を向いて立つのを避け、足先を斜めの方向に向けてしまう。これらは私たちの大脳辺縁系が、不快なものから距離を置こうとしているせいだ。