第3401冊目 超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール (知的生きかた文庫) 田口 佳史   (著)

 

 

 

 

-「現場に」は必ず「一番乗り」せよ

 

 

交渉事でも何でも、すでにうまくいったも同然という状況をつくり出してから臨むのが順序である。「当たって砕けろ」的な行動では、何事もうまくいかない。一番乗りで現場に入って、うまくシミュレーションをしておきなさい。

 

 

このくだりを講義するとき、私はいつも「勝ってから戦うのが順序だと、孫子は言っています」と言います。

 

 

たいていの人はポカンをします。「戦った後でないと、勝つか負けるかわからないじゃないか」と思うからでしょう。

 

 

でも、ここまで読んできたみさんは、もう孫子の言いたいことがわかりますね?

 

そう、「絶対に負けない準備をして、勝ちを確信してから戦いなさい」ということです。

 

 

これを交渉事やプレゼンテーションなどに置き換えて考えると、「双方が対峙した瞬間に、相手が気を呑まれてしまうように仕向けなさい」というふうに読めます。

 

 

一番簡単で大事なのは、その場に集まる誰よりもうんと早く現場もしくは現場周辺に入り、うまいくシミュレーションを十分にしたうえで、事に臨むことです。

 

私も講演のときなどは、必ず会場に一時間半前に到着するようにしています。周辺を散歩しながら気持ちを落ち着け、話をどう進めていくかリアルにイメージしながら周到に準備を重ねるのです。

 

そして何食わぬ顔をして、一五分くらい前に会場入り。そのときには、もう誰の目にも私は余裕しゃくしゃく、自信満々に映るはずです。

 

 

打ち合わせや交渉事のときも同じ。必ず一番乗りをするようにしています。

 

 

相手が遅れて来ようものなら、「しめしめ、勝負あったな」と喜ぶくらいです。相手はこちらを顔を合わせた瞬間から、遅刻を謝ってばかり。こちらは事を有利に進められます。

 

 

みなさんも相手がある仕事のときはとくに、ゆめゆめ時間ギリギリに現場に滑り込むようなことはしてはいけませんよ。自分で自分を追い詰めるようなものですから。