第3398冊目 超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール (知的生きかた文庫) 田口 佳史   (著)

 

 

 

 

-過大評価も、過小評価もしない

 

 

相手と自分、双方の能力を客観的に、正確に評価できれば、戦略の精度が高まる。とりわけ自分自身の能力評価は厳しくすることが望ましい。

 

 

人は誰しも、「他人に厳しく、自分に甘い」もの。それは能力評価においては、他人を過小評価し、自分を過大評価することにつながります。そうしたい気持ちはわかりますが、ここを改めない限り、競争に勝ち抜くことはできません。だから、身につけるべき考え方はまったく逆。「他人に甘く、自分に厳しい」ことが求められます。

 

 

認めたくないかもしれないけど、相手の強みをきちんと認識する。それも実力以上に評価する。そうすることによって、こちらは十分な備えができます。

 

 

もっとも難しいのは「自分に厳しく」すること。誰しも自分のダメなところは認めたくないので、つい評価を甘くしてしまいがちです。

 

たとえば客観的に見て自分の短所・弱点がわかっているのに「相手に比べて、劣っているというほどのものでもない」と気にしないようにしたり、主観的にしか自分を見られてなくて半ば本気で「俺は優秀だ。誰にも負けない」と思いこんだり。

 

 

そんなふうだと、どうしても脇が甘くなり、相手に付け入る隙を与えてしまいます。

 

 

自分の能力を厳しく評価するということは、弱点をいかにして相手に見せないか、あるいは弱点をどう強みでカバーするかを考えることにつながるのです。それによって、「隙のない強い人間」になれます。

 

 

「相手に甘く、自分に厳しい」能力評価をすれば百戦百勝が現実的なものになる。

 

 

でも、厳しく自己評価をするのはいいけれど、相手のことも厳しく過小評価するようだと、勝ち負けは五分五分。相手を厳しく過小評価して、自分に甘く過大評価してしまうと、まず勝ちは望めない。