第3400冊目 超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール (知的生きかた文庫) 田口 佳史   (著)

 

 

 

 

 

-競い合いや争いごとでは、冷静さを欠いたほうが負ける。自分自身を常に冷静に保つことが勝ちを呼び込むのだ。

 

 

勝負事や賭け事、争い事などでは、つい頭にカーッと血が上って負けてしまうことがあります。あるいは勝ち負けに関係のない場面でも、感情的になったために判断を誤ったとか、後々イヤな思いをひきずったとか、そんな経験は誰しもお持ちでしょう。

 

 

その経験から、感情的になっていいことは何もないと、たいていの人が頭ではわかっている。でも「感情をうまくコントロールできない」ことに悩んでいる。それが現実でしょう。

 

 

孫子はここで、「守るときは敵の目をくらまして姿を隠し、攻めるときは高所大局から物事を見定めて機動するのがよい。そういう攻守の姿勢をとるには、常に冷静沈着であることが求められる」としています。

 

 

ただ「どうすれば冷静さを保てるか」まで言及していません。

 

 

そこを補っておくと、私自身は感情をコントロールするために、ちょっとしたトレーニングを行いました。その方法を紹介します。

 

 

たとえば、怒りの感情がわいたとき、最初はそれを制御せずに気がすむまでに猛烈に怒りまくります。その怒りが一週間でおさまったとしたら、次に怒りの感情がわいたときは「よし、四日間だけ怒ろう」というふうに決めます。

 

 

最終的にそれが一日になり、三時間になり、一時間になると、もう大丈夫。どんなに頭にくることがあっても、その場で感情をおさめられるようになります。

 

 

人間だから喜怒哀楽はあって当たり前。あっていいんです。困るのはそれが長引くこと。負の感情ばかりでなく喜びの感情だって、長引けば有頂天状態が続いて、良いとは言えません。

 

 

だからトレーニングによって、できるだけ短時間で平常心に戻れるようにする。それが喜怒哀楽を超越して冷静さを保つことにつながるのです。