第3222冊目 負けてたまるか! 若者のための仕事論  丹羽 宇一郎 (著)


負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)

負けてたまるか! 若者のための仕事論 (朝日新書)

  • 評価のバラツキは必ずある


いずれにしても、本気で挑戦し、仕事に一生懸命に取り組む人を、会社は不遇なポストに置いておきはしません。確かな実力があるならば、最終的には会社は、上司ではなくその人の主張を聞くものです。


先ほども述べたニューヨークに赴任して猛烈に働いていた当時、こんなことがありました。あるとき同僚と話をしていて、自分の給料が他の同僚よりも低いことを知ったのです。知らない幸せ、知る不幸。私はよくそう言いますが、このときの私がまさに「知る不幸」でした。


しかし、当時の私は誰よりも猛烈に仕事をしているという自負があったし、周りの人間もある程度それを認めてくれていたと思います。私の給料が低かったのは、会社における評価の問題でした。


完全に公平な評価というものは存在しません。同じぐらいがんばって結果を出していても、Aという上司は辛口の人で一〇点満点で七点しかつけれくれないかもしれない。逆にBという上司は甘口で、九という評価をつけてくれる。どんなに公平を期しても、そのような評価のバラツキは必ずあるものです。


不幸にもその評価のバラツキを知ってしまった私は、同僚との評価の差も含めて、「この評価はおかしいのではないか」と堂々と上司に直談判しました。その結果、評価のバラツキが是正されて、給料が上がりました。


このときは、たまたま私の主張が通って給料が上がりましたが、別に上がらなくてもそれはそれで仕方がない。ただ、自分に自信があれば、もしかしたらそれが間違った自信であったとしても、言いたいことを正々堂々と伝えればいいのです。一番いけないのは、言いたいことも言えずに、愚痴や不満を自分の内部に抱え込むことです。そんなふうに働いていて、いいたいことは一つもありません。