第2954目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • 王者の威厳


そわそわしているジェームズ・ボンドの姿を想像できるだろうか。服の端をつかみ、頭を小刻みに揺らして、肩を上下させている。話をする前に咳払いをして口ごもる。もちろん、そんなボンドはありえない。ジェームズ・ボンドはとことんクールで、冷静で、落ち着いている。彼は自信そのものだ。


地位の高さと確かな自信を物語るボディランゲージは、動きがかなり少ない。落ち着いた人は「平衡状態」を維持する。服や髪をいじる、顔を触る、絶えずうなずく、話す前に「えーと」と言うなど、関係のない余計なしぐさはしない。


これらのしぐさは、行動科学では低い地位を象徴するしぐさとされ、相手を安心させたい人がよく使う。誰かを安心させたいと思うには2つの出所がある。

  • 共感 相手に自分は理解されていると思わせ、あなたが注意を払っていることを確実に知らせたい。
  • 不安 相手を喜ばせたい、なだめたい


一方で、パワーと自信と高い地位があると思われている人物の場合、しぐさはもう少し控えめだ。相手が何を考えているのか不安でないから、安心させたいという衝動もあまり感じていない。