第2886冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • パワーと誠意


パワーがある人とは、周囲に影響力を及ぼせる人だ。支配力がある、大金を動かせる、専門知識や知性が高い、肉体的な力が強い、社会的な地位が高いほど、さまざまな影響力がある。パワーがあるかどうかは、外見や、その人に対する周りの反応などをもとに判断するが、とくに重要な手がかりとなるのがボディランゲージだ。


カリスマの3つ目の資質である誠意は、広い意味で他人に対する善意に含まれる。誠意があるかどうかで、その人が持つパワーを、私たちのために使おうとしているかどうかがわかる。親切さ、利他的な気持ち、思いやり、世の中を良い方向に動かそうという思いなど、誠意はさまざまなかたちで伝わる。また、誠意はボディランゲージと振る舞いによって判断され、パワーより率直に評価される



たとえば、初対面の人と向き合っているとしよう。相手の経歴や、友人知人の評判を聞くわけにいかず、時間をかけて相手の振る舞いを観察する余裕もない。そこで、あなたはまず相手がどんな人かを推測する。


続いて言葉を交わしたりしながら、本能的に相手のパワーと誠意の手がかりを探し、それに合わせて先の推測を修正していく。高価そうな服を着ていれば裕福だと推測し、友好的なしぐさから善意のある人だと推測し、貫禄たっぷりの態度から、何かしら自信のある人だろうと推測する。つまり、相手のパワーと誠意を推測する際は、相手が投げかけるイメージを基本的にすべて受け入れようとする。


したがって、パワーと誠意をより多く伝えることができれば、相手はそれを受け入れ、あなたのカリスマは高まる。さらに、パワーと誠意を併せて伝えれば、最大限のカリスマを発揮できるだろう。