第2871冊目 人生を思い通りに変える51の質問 谷原 誠 (著)


人生を思い通りに変える51の質問

人生を思い通りに変える51の質問

  • どうすれば、この不本意な状況をチャンスにできるだろうか?


ある機会メーカーの営業部に勤務する山内さん。折りからの不況によって機械が全く売れず、営業部員を1名削減することになり、山内さんは、営業部から経理部へ異動せよとの辞令を受けました。


山内さんは、営業をずっとやっていきたいと思っており、非常にショックを受けました。


「なんで俺だけがっ!?」


そう自分を呪うとともに、このような判断を下した会社に対する怒り、異動を免れた他の営業部員への妬みですっかりやる気をなくしてしまい、その後、退職しました。


この山内さんの「なんで俺だけがっ!?」という質問もタブークエスチョンです。この質問は、自分の責任を回避しようとするものです。なぜなら、この質問は、自分の責任ではなく、会社が誤った判断をしているのだ、ということを前提とした質問だからです
「他の人が対象になってもいいのに、自分だけ対象になるのはおかしい」と言っているのです。


この瞬間、山内さんは、この問題を解決する権利を失いました。他人に権利を委ねてしまったのです。


しかし、質問を変えることにより、この問題を解決する権利を自分の手に取り戻すことができます。


今回の場合は、質問は、次のようになります。


「私のどのような資質が経理部に向いているのだろか?」


会社は、山内さんに対して、他の部署ではなく、経理部に配置転換しました。そうすると、山内さんは、経理部に向いている能力があるのかもしれません。まず、自分の中に、そういう新しい資質を見つけるきかっけになります。


また、次のような質問も考えられます。


経理部の仕事は、私の今後のキャリアにどうやって生かすことができるだろうか?」


そう質問することにより、経理部時代の経理の知識の吸収や、学び方、仕事の仕方は非常に前向きなものとなるでしょう。しかも、営業部に戻った後も、その経理の知識は、いかんなく発揮されることになるでしょう。