第2836冊目 その話し方では軽すぎます! 矢野 香


その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』

  • 靴を脱いだ後、こんな所を見られている


いろいろな会議の場に出席させていただく機会があります。放送局での会議をはじめ、政治家の先生方が集まった自治体の会議、企業の経営者会議、大学教授の先生方が参加する会議、各界の有識者会議などです。


会議の最中にどうしても目がいってしまう場所、それは参加者の皆さまの足元です。集まった方々はどの方も素晴らしい経歴をお持ちのエグゼクティブの方ばかり。ご発言もさすがの貫禄を漂わせています。しかし、足元を見ると隙だらけ、ということがあります。


男性の場合、ズボンのひざ丈が上にグッと持ち上がり、下から学生のような白い靴下や趣味の悪い柄の靴下が覗いている。しかも、靴下の丈が短く、素足の部分も一緒に覗いている。そこにすね毛が加われば幻滅するかもしれません。


社内履きなのかもしれませんが、履いている靴がマッサージの突起がついた健康サンダルだったり、ウォーキング用の歩きやすそうな靴だったりするのも幻滅します。


百年の恋が一時に冷めるように、足元に思いがけない相手の一面を見たことで、いままで築いてきた信頼が薄れていまうのです。


これらは、信頼を完全に失ってしまうほどの大失敗ではありません。しかし、「あ、意外とそんな人だったのね」と軽く見られてしまう、ちょっとした隙なのです。正統派の自己演出を目指す皆さまは、そんな隙を見せてはいけません。


立った状態でちょどよく採寸したズボンでも、椅子に腰掛けてみるとズボンは上がってしまいます。そのため、素足まで見えてしまうのです。