第2838冊目 その話し方では軽すぎます! 矢野 香


その話し方では軽すぎます!

その話し方では軽すぎます!

  • 親しい人にも、年下にも「ため口」は御法度


皆さまの周りにも、親しい間柄になるつれて、どんどん印象が軽くなる人はいませんか。初対面のときより二回目、短時間お会いしただけのときより数時間かけて会食をした後、仕事の話だけをしていたときより、プライベートの話までした後、なぜかその方のことを軽く感じてしまうのです。


その原因は「親しみ」と「軽さ」を混同しているからです。


親しみの気持ちとして行っている言動が、逆に軽さとして相手に伝わっている危険性があります。


私たちが互いの人間関係の深さに合わせ、言葉づかいを変化させます。


出会って間もない頃は、互いに敬語で話していたものの、仲良くなってきた証として、言葉は敬語から丁寧語、丁寧語からときにはため口へと崩れてきます。


いつまでも敬語を使い続けていたのでは、相手は「私のことが嫌いなのかな。距離を置こうとしているのかな」と勘違いしかねません。そのため、親しくなった人とは言葉を崩して親近感を伝えようとするのです。


しかし、それが間違いのもと、軽くなる原因です。親しみ、共感を伝えようとして行っている言葉の崩れについて、信頼・尊敬も一緒に崩れていってしまう恐れがあります。


ため口とは、対等の話し方をすることです。つまり、エグゼクティブの皆さまが、ため口を使うということは、「自分はもっと下として、軽く扱ってもいい人間です」と表現してしまっていることになるのです。


会社で部下に軽く見られている、なめられているような気がするという方は、ご自身の言動を思い返してみてください。部下との距離を縮めよう、共感を伝えようとして言葉を崩していませんか。