第3404超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール (知的生きかた文庫) 田口 佳史   (著)

 

 

 

 

-「ワンパターン」の恐ろしさを知る

 

 

最初は形から入るが、いつまでも形を追っているようでは進歩がない。形を身につけたら見せないで、自由自在を心がけなさい。

 

 

一つの仕事に習熟すると、型のようなものができて、新しいことに挑戦したり、いままでのやり方を変えていったりすることができにくくなります。パターン化してしまうんです。

 

 

それは悪いとばかりは言えませんが、自分自身の成長がストップしてしまいますし、ライバルから見ればこちらの手の内がミエミエですから、つけ入る隙を与えて足元をすくわれてしまう恐れもあります。

 

 

組織も同じ。いったんでき上がると組織図ばかりにこだわって、機動力が低下してしまうようなケースがよく見られます。

 

 

代表的なもので言うと、朝礼や会議など、形式的なことばかりを重視していると、やがて内容のないものになり、やる意味がなくなってしまいます。

 

 

武道や日本舞踊などの伝統的なものは形から入ります。型をいく通りも、何回も何回も反復練習して習得します。そして身についたと思ったら、今度はいかに形から離れるかが求められるようになります。

 

 

つまり臨機応変に、型のバリエーションが繰り出せるかが勝負となります。自分自身が型と一体化して自由自在になり、即座に多様な技となって表現されます。

 

 

この「無形」の精神と技こそが到達点なのだということを忘れずに、人生を送ることが大切です。

 

 

これこそが自分を達人・名人にするコツですから、若いときからこれを目指して欲しいのです。