第2361冊目 (文庫)ビジネスで差がつくマナーの心得 (サンマーク文庫) 文庫  三枝理枝子 (著)


(文庫)ビジネスで差がつくマナーの心得 (サンマーク文庫)

(文庫)ビジネスで差がつくマナーの心得 (サンマーク文庫)

  • 入社二年目でもスゴ腕営業職になれる化粧の力


ある企業で受け持った研修の受講生の中に、入社二年目の営業職の女性がいます。


なんでねも、彼女が営業に出るとかなりの確率で契約と取ってくるそうです。数週間前にベテラン職員が何度かチャレンジしてだめだった会社でも、なぜか新規の契約や拡大の契約がいただけるのです。


あるとき、エリア長会議でその女性社員のことが話題になりました。


「知性面では当然、我々は負けていないのに、なぜ彼女はすんなりと契約が取れてしまうのだろう」


その秘訣を探ろうということになりました。


ところが、彼女はとびきり愛嬌がいいわけでもありませんし、言葉が巧みで話し上手なわけでもありません。結局、会議中にその答えが出なかったため、次回の会議で彼女を呼んで、話を聞こうということになりました。


翌月、彼女がエリア長たちの前に現れました。ベテラン社員たちに囲まれて、きっと緊張していたことでしょう。


「なるほど……」


地方から就職で都会に出てきて二年目、まだまだ素朴さが残るナチュラルなメイクが彼女の誠実さを、真面目さをいっそう醸し出していたのです。その場にいた人たちは、彼女のうっすらピンク色の頬紅を見て、気持ちが明るくなったといいます。


メイクのおかげで明るくさわやかな印象がいっそう映える彼女には、存在感がありました。つまり、彼女はメイクによって外見だけでなく、内面の強みをさらに引き出せていたというわけです。


本人曰く、毎朝、化粧をしながら「今日もいいことがありますように!」とスイッチを入れてくるのだそうです。



どこからともなく、そんな声が聞こえてきたそうです。そして、進行役の方が「みなさんも、もうお気づきのようですね」と声をかけました。