第2360冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)


称賛も妬みも引き寄せる磁石2


あなたの成功に自分が関与しているという意識を持たせることは、恨みが生じるのを防いで、誇りや忠誠心など前向きな感情をもたらす方法として効果的だ。このテクニックは「クリントン・クラシック」とも呼ばれる。ビル・クリントン大統領在任中、シェフや清掃員などあらゆる人に、外交政策に関する意見を聞いて回ることで知られていた。彼は相手の話を真剣に聞き、その後の会話でその意見に必ず言及した。人は自分があなたという人間の形成に力を貸したと感じると、何らかの当事者意識を感じてあなたと一体感を覚え、あなたの成功に一定の責任を感じる。


あなたが成功して注目度が高まりはじめたら、「嫉妬予防作戦」を定期的に実行するといいだろう。ただし、誠実な気持ちで取り組むこと。私のあるクライアントはこの作戦についてこんなふうに喜んだ。「素晴らしい! 手っ取り早い話だ。これからは相手を本当に好きにならなくても、気にかけていていると思わせることができるじゃないか」。残念ながら、そうではない。まず、ほとんどの場合、本心と違うことを言えば他人も直感的に気づく。本能で感じるのだ。さらに、自分が信じていないことを口にすると認知的不調和が起こり、集中力を無駄遣いして、注意力が散漫になり、パフォーマンスが損なわれる。不誠実さには、その犠牲に見合う価値はない。


この不誠実さの罠を頭において、嫉妬を予防するテクニックを練習しよう。まず、あなたのキャリアにとって重要な人を数十人思い浮かべる。続いて、次に説明するアプローチに従って、電話やメールで彼らに連絡を取る。