第2194冊目 (文庫)ビジネスで差がつくマナーの心得 三枝理枝子 (著)


(文庫)ビジネスで差がつくマナーの心得 (サンマーク文庫)

(文庫)ビジネスで差がつくマナーの心得 (サンマーク文庫)


「君に任せた」と言われるような姿勢とは?


これは得意先を訪問したとある中堅社員の話です。


彼は入社四年目ということで仕事にも自信を持ちはじめましたが、その分、慣れの毒が出たはじめたところでもありました。


何度かうかがっている得意先応接室で担当者を待っていたときのことです。当然、彼は下座に座っていました。そこまではいいのですが、疲れも出ていたせいか椅子にどっしりと座り、背もたれに寄りかかりながら足を組んで待っていたそうです。


ちょうどそのとき、担当者が新任の課長を連れた入ってきたので、慌てて姿勢を整えましたが、間に合わず、そのだらしない後ろ姿を見られてしまいました。課長は開口一番、「ずいぶんリラックスしていたようですね」と嫌味たっぷりの薄笑い。


第一印象は最悪です。どんなに誠実ぶっても信用してもらえるわけがありません。そのため、一時間の打ち合わせの約束が一五分で終わってしまいました。当然、OKの返事などもらえるわけがありませんでした。


美しい姿勢を身につけるということは決して難しいことではありません。むしろ誰もができるシンプルなことです。


仕事をしてはじめて、「姿勢がきれいですね」と言われることが多くなりました。私に限らず姿勢の悪いCA、講師の姿は思い浮かばないのではないでしょうか。それは、どんな道を歩んできたかに関係なく、人に見られている職種でプロとしての自覚のある人は常に自分の姿勢を意識しているからだと思います。


立っているときのことは当然のこと、座っているときでも、男性、女性にかかわらず、姿勢一つがその人の人となりを表します。