第2193冊目 ユマニチュード入門 本田 美和子 (著), ロゼット マレスコッティ (著), イヴ ジネスト (著)


ユマニチュード入門

ユマニチュード入門

  • 多く場合、歩けないのは医原性


現在病院や高齢者施設で寝たきりになっている人は、17ページ以降で述べた「レベルに応じたケア」を受けていたならば、今でも立つことができたかもしれません。その人の能力を活かさないケアによって歩けなくなっているのだとしたら、そのは医原性といってもいいでしょう。高齢者が寝たきりになるには、3日から3週間もあれば十分です。


ケアが必要な高齢者の人には、あえて一日20分程度、立って歩く機会をつくる必要があります。これまで述べてきたように、本来は立つことができるのに、寝たままのケアを受けている人は多くいます。この寝たままで行っている保清の時間を、立つ時間に変えてみたらどうでしょう。ケアを受ける人は、毎日何らかの保清ケアを受けています。立って保清をする方法に変えることで、立位のための時間をわざわざ捻出する必要はなくなります。