第2305冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔 (著)


入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

  • 「あえて言わせてください」で意見を言え


上司や先輩と異なる意見を言うときは、こんな言い方をしてみてはいかがでしょうか。


「私はまだ素人かもしれませんが、あえて素人目線で申し上げます」


「もしかしたら役に立つかもしれないので、聞いていただけますか」


会議では、必ず発言すべきだと言いました。発言してはじめて会議に参加したと言えるからです。とはいえ、誰でも最初は緊張します。遠慮もあります。こんな幼稚なことを言って叱られないだろうかと萎縮することもあるでしょう。


でも、それを恐れて発言しないのでは、会議に出席している意味がありません。会議に参加するかどうかで楽しさや真剣みも変わってくるので、発言する義務がると思って積極的に意見を言うことを心掛けてください。


ただし、発言する際は周囲の意見をよく聞いて、冒頭のような言い方、またはこんな言い回しで簡潔に述べてみてはいかがでしょか。


「皆さんの意見のこういう点はとても参考になり、私も賛成です。ただ一つだけ疑問に感じたことがありますので、ちょっと筋違いかもしれませんが、あえてこう言わせてください」


まず相手への敬意を払う。そのうえで意見を述べるのです。


若い人に限らず、相手の意見をしっかり聞いて、よく理解したうえで発言するのは当たり前のルールです。若者がいきなり上から目線で意見を言えば、生意気だと思われても仕方がありません。


実は、ほとんどの上司や先輩には、若い人の意見を聞いてあげたいという意識が必ずあるものです。少々荒削りでも言わせてあげたという親心にも似た気持ちを持っています。


自分の意見を言うことができたとしても、その意見が正しく、周囲に認められるとは限りません。そうだとしても、あまり食い下がってはいけません。


正しい意見ならともかく、誤った考えを押し通そうとする人は鬱陶しがられるものです。物わかりが悪いというレッテルを貼られてもマイナスです。


若さは特権です。若いから許され、若いから可愛がられるのです。この特権は中堅になるともう使えません。いまのうちに特権を駆使してください。


誰も新人に完璧な答えなど求めていません。臆せずに意見を言ってみてください。意見を言う若者は、議論に貢献しようとする仲間として重宝され、様々なチャンスが巡ってくるはずです。