第1373冊目 プレゼン以前の発表の技術 [単行本] 尾方 僚 (著)
- 作者: 尾方 僚
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2011/10/18
- メディア: 単行本
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やっぱり練習は大事!
人前で堂々と話せるまでの道のりは長い
私は大学で、学生を1人ひとり教壇に立たせて、テーマに基づいて発表してもらう授業を行っています。初回の授業で、半年間授業を受けたあと最後に自分がどうなっていたいかゴール(目標)を決めて書くようにと言うと、学生たちは「人前で堂々を話せるようになりたいです」などと書いてはきます。
でも、最初のうちは話す声が小さかったり、話す内容をまとめた紙を見ながら下を向いたまま話したり、棒読みだったりすることがほとんどです。
実際に授業でやってみると簡単にはできないので、そのたびに落ち込み、「どうすれば人前でも緊張しないで話せるのだろうか」「どうすれば自信を持って話せるのだろうか」と悩む学生は多いようです。
緊張していても堂々としているように見える3つの方法
学生の中には、自分の言いたいことをまとめる以前に、足が震えて人前で立って話せないという人が結構います。このように緊張してしまう人は、まず発表に対する苦手意識を克服しましょう。緊張などの精神面の問題は、慣れて自信をつけることで、ある程度克服することができます。
まずは次の3つの方法を試してみてください。96ページでも紹介しましたが、目線に気をつけるだけでも堂々として見えるようになるので、聞き手に与える印象はだいぶよくなります。
1 顔を上げて話す
まずは、顔を下げず上げすぎず、顔を並行にして話してみます。
最初は、手元の紙から目線を話したときに、どこを見ていいのかわからないでしょうから、目線が泳いでいても、どこか遠くを見ていてもかまいません。紙を見ながらでも、棒読みでもいいので、とりあえず話すときは下を向かずに顔を上げて話してみましょう。
2 見方の顔を見て話す
次に、聞き手の中に自分の「味方」を探してみましょう。
発表の状況は、聞き手の人数、立場、人柄、話し手と聞き手との関係などによって変わってきます。
しかし、どんな場合でも、聞き手の中には必ず「あなたの味方」がいます。それは、あなたの話を積極的に聞こうとしてくれている人、あなたの投げかけをしっかり受け止めてくれるような人です。
初めは、誰が味方で誰が敵なのかもわからないぐらい緊張しているかもしれませんが、話していくうちに、ウンウンとうなずいたり、笑顔で聞いてくれている人が見つかるでしょう。そうしたら、その人の方を見て、その人に向かって話すのです。次第に、緊張がとけて気持ちが落ち着いてくるはずです。
3 3秒、人の目を見て話す
次の目標としては、「3秒ルール」。
これについては、98ページでも述べましたが、人の目を見て、1、2、3秒間、話します。3秒たったら、ゆっくり次の人に目線を動かします。
1秒では短すぎて、キョロキョロした印象を聞き手に与えてしまいます。3秒ぐらいが落ち着きを感じられるちょうどよい時間です。
人の目を見て3秒間話すというのは、初心者にとっては結構難しく、私が教える学生の中にも苦労する人が多いようです。
でも、何度も練習をするうちに必ずできるようになりますから、あきらめずに練習してみましょう。