第1130冊目  心を上手に透視する方法 [単行本(ソフトカバー)]トルステン・ハーフェナー (著), 福原美穂子 (翻訳)


心を上手に透視する方法

心を上手に透視する方法


目を見開くのは、「もっと知りたい」というサイン


今までにも何でも人前でやってみせた、僕の得意実験がある。


ある観客に、一人の人のことを思い浮かべてもらう。僕はその観客が思い浮かべていることを言葉で表現し、最後にその人の名前を言い当てるのだ! するとその観客の反応は、だいたいいつも同じだ。――目が大きくなり、口が軽く開く。


目が大きくなるのはいつでも、「たった今起きたこと、耳にしたことについて、もっと知りたい」という意味だ。この反応はいくつかのことを表しているが、今の例のように、その人が何かを理解できず、「どうなってるの? こんなことありえない」と自問自答しているというのが一つだ。あるいは、何か興味深いことを聞いたから、もっとそのことについて聞きたい、知りたいということだ。


このことを知っておくと、ビジネスにも役立つ。取引の最中にクライアントの目が大きくなったら、売り手にとって非常に重要なサインだ。プロならばそれをしっかりキャッチし、ポイントを押さえた質問をして、完璧な成果を引き出すだろう。


逆に相手の目が細くなったら、まだ情報が足りないと思っているということだ。この場合すでに提示した情報をもっと詳しく知らせることが大切だ。


相手は、何か一つの点に特に注意を向けている。思考の妨げになることをブロックしているために目が細くなり、一点に焦点を当てるために、目を細める。ルーペで太陽光を集めるときのように。目が細くなったら、たいていある問いかけを暗示している。


「この一点について、私はまだよくわからないでいる。もう一度説明してもらいたいものだ」


多くの場合、その後、相手は同じような発言をするだろう。また、相手が頭の中で独り言を言いながら、不明確な点について自分自身で答えを出すこともある。その場合、相手が考え終わるまで待ったほうがよい。相手にはどうやら時間が必要だからだ。


もしまた目が大きくなったら、答えが出たということだ。あるいはさらなる質問をしてくることもある。