第1215冊目  デキる人は説明力をこう磨く (角川oneテーマ21) [新書]日本語力向上会議 (著)


デキる人は説明力をこう磨く (角川oneテーマ21)

デキる人は説明力をこう磨く (角川oneテーマ21)


効果的なボディランゲージのコツ


日本人には、会話の中にボディランゲージを入れる習慣がない。身振り手振りで相手にアピールしようとすることが頭にない。だからこそ、ボディランゲージは効果的といえる。


もちろん、外国人がやるような「オー・マイ・ガッ」的なボディランゲージを、日本人がやっても、ビジネスの場面では効果的とは思えない。あくまで、表現したいことの補助的なアピールの方法として、ボディランゲージを生かすのである。


たとえば、順を追って説明するとしよう。「ポイントのひとつ目は……、ふたつ目は……」といった構成で説明するとき、「ひとつ目は」という口頭での説明にプラスして人差し指をあげる。「ふたつ目は」といって、人差し指と中指をあげる。「三つ目は」とさらに薬指をプラスするといった具合だ。


「お手元に配布いたしました資料は二点あります。こちらが○○、もう一点は○○です」


そういいながら、資料を高く上げて見せる。これもボディランゲージのひとつだ。


「これから私たちは、ともにひとつの目標に向かって協力態勢をとっていくようになります。異業種ということもあり、最初は戸惑うかと思いますが、ぜひ、ご一緒に力を合わせて前に進んでいきましょう」


こういった場面などは、両手を大きく広げるボディランゲージが効果的である。


そのほか、「あちらをごらんください」といって手を指し示す動作、形の大小を示すための両手での動作や、両面を使って説明するときに指し示す動作などがあるが、ボディランゲージを織りまぜるときは、はっきり相手に見せるのがコツだ。


もじもじしてはいけない。相手に見せるのが目的だから、見えないような低い位置でのボディランゲージも効果は薄い。説明している口元に近い位置、つまり、顔の横まで高く上げるようにする。このとき顔が隠れないよう、手の位置はあくまで顔の横におくこと。上げた手はすぐに下ろしてしまわないことも大切だ。相手が説明している自分ほうを見たのを確認するくらいの間はキープしておくようにしよう。


ボディランゲージを効果的にするためにはもう一点、注意したいことがある。ムダな手の動き加えないこと。説明している間に髪をかき上げたり、頭をかいたりすると、ボディランゲージとの区別がつきにくい。このポイントもしっかり覚えておよう。