第1017冊目  20代実績ゼロから知っておきたい仕事のルール [単行本(ソフトカバー)]成田 直人 (著)

20代実績ゼロから知っておきたい仕事のルール

20代実績ゼロから知っておきたい仕事のルール

目は絶対に自分からはそらさない


先輩ビジネスパーソンがあなたと対峙したときに見るのは「目」です。

自信の表れはすべて目に出ます。自信がないときは目をそらしたり、うつむき加減で話をしてしまいがちです。これでは、相手に認めてもらい信頼してもらうことはできないでしょう。

したがって、私は相手の目を見て話すようにしています。基本的に、こちらから目を離すことはありません。

ある日商談後に、「成田さんは目が違いますね」と言われたことがあります。これは一度ではなく、何度もありました。

ある社長とのエピソードを紹介します。

商談中に、「成田さんの目は何かをやってくれる目なんですよ」と、突然言われました。「えっ? どういうことですか」と言うと、社長は、「目標達成してきた人の目は違う、やりきっていないと目が泳ぐのがわかる。どれだけ言葉で補おうとしても無理なんです。目は嘘をつきません」と言うのです。

このことは、それほど目は重要なのかと考えさせられる体験でした。

私自身、逆の立場でのエピソードもあります。

会社が発展するにつれて、弊社も営業を受ける機会も増えました。ある広告会社の20代の営業マンが弊社に来たときの話です。

時間も限られているので、さっそく用件を聞きました。「今日私は何を決めればよいでしょうか」と単刀直入に聞きます。営業マンは自社の商品説明に入り、その後、私が2〜3質問をします。

その瞬間、営業マンが目をそらし、しどろもどろになったのです。準備不足が、目としぐさに出ていました。

この瞬間に「あっ、この人は」と思い、その後にどんな説明をされても全く響きませんでした。「目は口ほどにものを言う」ということわざがありますが、その通りです。目をそらされると、自信のなさを感じるものです。

特に20代は自分から目を離してはいけません。自分から目をそらさなくてもよいように、常に事前準備に力を入れるのです。そうすればすべての質問や要望が想定内になるので、目をそらすようなこともなくなります。

このモデルと言うべき営業マンがいました。

引っ越しが迫ったある日、各引越業者に見積もりに来てもらおうと、終日アポを入れました。過去にお願いした引越業者を朝一にお願いし、商談が始まりました。

彼は、冒頭に私の目を見てはっきりと言いました。

「成田さん、前回も私が担当させていただきましたが、今回はこの金額でお願いします。品質価格ともに絶対的な自信があります! 他の見積もりはすべてキャンセルして決めてください!」

その後、いくつか質問をしても回答に抜け目がありません。とりわけ印象的だったのが、目が嘘をついていることはなく本気だったことです。

私は彼を信頼し、契約したうえで、その他の見積もりをすべてキャンセルしました。

相手に印象づけるためにも、自信を形成し目を鍛えていきましょう。