第506冊目 レバレッジ・マネジメント 少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略 本田直之/著

順行思考か? 俯瞰逆算思考か?
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会社で新しいサービスを立ち上げようとするとき、期限を切っているだろうか? 単に新しいというだけではなく、どのようなサービスかを明確にしているだろうか? 


「今から三ヶ月後に、新しく○○というサービスを立ち上げる」


このように期限を切り、ゴールを明確にするのは大前提だが、それだけではうまくいかない。より効率的なプロセスを考えなくては、遂行能力はがくんと落ちてしまう。


その明暗を分けるのが、経営者が順行思考か俯瞰逆算思考かという違いである。


順行思考の経営者の中には、ゴールまでのプランをきちんと作らない人がいる。とにかく行動しなければとばかり、「すぐにできそうなところから始めよう」と、手頃な案件から着手してしまうのだ。優先順位もつけずに適当に始めては、効率化悪くなるのも当然だろう。目の前のことから片付けようというのが順行思考であり、典型的な短期的視野の産物なのだ。


もっとも、順行思考の経営者の中にも、綿密なプランを立てる人はいる。問題は、積み上げ型でプランを進めていこうという点にある。


「プランその一を終えたら、プランその二を考える」というやり方なので、プランその一がうまくいくか否かで、プラン二の性質が変わってしま。プラン一で時間を食ってしまうと、期限を延長せざるをえなくなる。


スケジュールは突発事項が生じても守れるものでなくては意味がない。経営とは複合的なものだから、何かをやると決めている時期に他の仕事が入ってきて、それどころではなくてってしまうことも多い。何か起きるたびにいちいち立ち止まっていたら、何事も進行できない。


順行思考とは、いわばゴールに到達するまでの道を作りながら動いていくこと。そのため、結果的には逆方向に進んでしまったり、遠回りになったりする。たとえて言えば、地図を見ないで目的地に行こうとしているのと同じようなものだ。


そこで経営者に求められるのが、俯瞰逆算思考である。レバレッジの効く経営者になるには、俯瞰逆算思考の癖を持つべきであるし、持たない限り、常に追われる経営になってしまうだろう。


俯瞰逆算思考とは、まず地図を見て現在地と目的地を確認し、「このルートで行くのが一番近い」ということを考えたうえで、スタートすること。つるり、ゴール、すなわち時間軸の長いところから見て、決めていく。そして、短期に落とし込んでいくので、長期的視野といってもよいだろう。


俯瞰逆算思考するには、やることが明確になっていなければいけないし、それに到達するまでの道のりをはっきりさせなければいけない。スケジュールどおりにたどり着くために、より効率的な行き方を考えることも必要だ。


経営者が俯瞰逆算思考型であれば、会社の業務の流れに無駄がなくなるし、メンバーの力が発揮できる場を作ることができる。やがて非常に限られた資産である時間を、有効活用できるようになるのだ。


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪


人生を変える80対20の法則

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今日の名言


「衆に優れた人物は、運に恵まれようと見離されようと、常に態度を
変えないものである」――マキアヴェッリ


今日の感想


こんにちは、ソンリッサです。


本日の一冊は、レバレッジシリーズでおなじみの本田直之さんによる渾身の一冊。


今までの著書になかった文末が「です。ます」調から「だ、である」調に変わっています。


「素直さを持っているか?」「劣後順位を考えているか?」「自分の長所と部下の短所を比較していないか?」など、一見すると当たり前のことのように思われることを意識することの大切さを指摘しています。


経営者の方はもちろん、学生の方にもぜひ読んでいだだい渾身の一冊です。


目次


第1章 経営者のレバレッジ
第2章 戦略のレバレッジ
第3章 営業のレバレッジ
第4章 ブランドのレバレッジ
第5章 仕組み化のレバレッジ
第6章 組織のレバレッジ